古代墓地から発見された遺骨 「女性戦士がいた可能性がある」
画像はイメージ(Mario Modesto Mata / Wikipedia Commons )
ハンガリー中部の墓で発見された遺骨が注目を集めています。
詳細は、オープンアクセス専門の出版社「PLOS ONE」に掲載されました。
武器とともに埋葬されていた女性
このたび同国のセーケシュフェヘールヴァールにある10世紀の墓地で、武器と一緒に埋葬された女性の遺骨が見つかりました。
周囲からは剣や弓矢、装飾品などが見つかり、当初は戦士階級の男性の墓と考えられていました。
しかし2022年に行われたDNA解析により、この遺骨は女性のものであることが判明。
当時、武器とともに埋葬されるのは男性に限られていたため、研究チームはこの女性が実際に戦いに関わっていた可能性が高いとみています。
一般的な女性の墓には、髪飾りやビーズネックレス、ブレスレット、指輪、ベルボタンなどの装飾品が多く、副葬された道具類はナイフや錐など限られていました。
ところがこの墓には装飾品のほか、弓矢などの武器も含まれていたのです。
また遺骨には、武器の使用や騎乗、重作業を思わせる痕跡も確認されており、実際に戦いや労働に従事していた可能性が高いと考えられています。
この研究に携わる考古学者の一人、ティハニ博士は「副葬品の特徴は、当時の生活が想像以上に複雑だったことを示している」とし、「今後の調査がさらなる理解への鍵になるでしょう」と述べています。
この発見にSNS上では、「ハンガリーは多民族の融合なので、この女性は高位の人物だった可能性がある」といった声や、「骨の変化は職業によるもので、戦士と断定するのは早いかも」などの指摘も見られました。