宇宙誕生から3億年後 定説を覆す銀河を発見
画像はイメージ(Flicker/ Carlos Ebert )
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、宇宙誕生からわずか3億3,000万年後に存在していた予想外の銀河を発見しました。
NASAが公式ウェブサイトで発表しています。
宇宙初期の理解を覆す予想外の銀河
その銀河は、「JADES-GS-z13-1」。ビッグバンから、約3億3,000万年後の時代に存在していたとされます。
誕生直後の宇宙は、中性水素ガスの霧に覆われており、紫外線などの高エネルギー光は遠くまで届きませんでした。
しかし、最初の星や銀河が形成されると、それらが放つ紫外線が周囲の水素を電離し、宇宙は再電離期を迎えます。
これにより、宇宙は高エネルギー光に対して透明になりました。
従来、この再電離期はビッグバンから約10億年後に完了したと考えられていました。
今回JWSTを用いた観測で、JADES-GS-z13-1からのライマンアルファ放射と呼ばれる特定の波長の光が検出されたのです。
これは、この銀河が周囲の中性水素ガスを電離し、紫外線が宇宙空間に放出されていたと考えられるようですが、はっきりしたことは現時点では不明。
驚くべきことに、この銀河誕生は、宇宙が誕生してからわずか3億3,000万年後の出来事であり、再電離期の開始時期がこれまで考えられていたよりも早かった可能性を示しているそう。
といっても最初の星がいつできたのか、あるいは再電離がいつ開始されたのかは、正確にはまだわかっていません。
この発見は、初期宇宙における星や銀河の形成、そしてそれらが宇宙全体に与えた影響についての理解を深める重要な手がかりになるといいます。
今後の研究で、宇宙初期の進化や構造形成のメカニズムがさらに解明されることが期待できるということです。