300年間見つからなかったマヤ遺跡 「考古学的空白地帯」で発掘

画像はイメージ(Simon Burchell / Wikipedia Commons

メキシコ・カンペチェで、300年間も忘れられていたマヤ文明と推測される集落が見つかりました。

【動画】300年発見されなかったマヤの古代都市

学術誌「Antiquity」に掲載された内容を、ケンブリッジ大学がウェブサイトで発表しています。

約5万人が暮らしていた大都市の可能性も

メキシコ南東部に位置するカンペチェ州は、マヤ文明の中心的な地域の一つとして知られ、特に古典期(紀元250年~900年)の間に大規模な農業と都市化が進んだ場所です。

密林に覆われているこの付近の探索は困難を極め、詳細な分析が行われていませんでした。

アメリカメディア「CNN」によると「考古学的空白地帯」と呼ばれていたといいます。

しかし近年導入された、空中から得られるデータを解析する「空中LiDAR」というシステムにより、過酷な地形でも広大な規模の地表調査が可能になりました。

カンペチェからは7000棟に及ぶ建物が発見されており、9世紀の最盛期には、最大5万人がこの地域に住んでいた可能性があるといいます。

今回の調査により、考古学者らはこの地域が以前考えられていたよりも遥かに発展した都市であったと推測。

これを裏付ける痕跡として、家屋のそばに円形劇場や古代球戯場などが広い道路で繋がれ、農業のための貯水池の存在が明らかになったほか、ピラミッドや儀式的建造物も確認されています。

またこのカンペチェの集落は、交通量の多い幹線道路から約15分ほどの距離に位置しており、その地域に住む人々は、ここに自分たちの祖先が眠っていることを知らずに暮らしていたということになるでしょう。

この発見に対し、世間では「戦争や悲惨なニュースが多い中で、こういう出来事は非常に興味深い」「考古学の教授がよく『これらの守の丘は建物なんです』と言っていました」といったコメントが寄せられていました。

Text by 本間才子