中国の建設現場で2,500年前の遺跡を発掘 木製の柱の保存状態は良好

画像はイメージ( Zheng Zhou/ Wikipedia Commons

2,500年以上前の中国の古代の開発者たちは、海岸沿いの集落のために特別な高架木造建物を設計していたことが判明しました。

【動画】工事現場から驚きの声 中国の建設現場で見つかった遺跡

海外メディアの「NEWHANFU」が伝えています。

中国の建設現場で歴史的発見

発見された場所は、中国・浙江省紹興濱海新区の建設現場。

専門家たちが数ヶ月かけて緊急調査をしたところ、そこにはおよそ2,500年前(紀元前770~221年の戦国時代初期)の越州の水上集落跡があったことが判明したのです。

越の国はかつて、紀元前1千年紀の古代中国の浙江、江蘇、上海地域を支配していました。

遺跡から出土した敷地の中心は、総面積1,300平方メートルの2棟の乾式構造の建物群。

当時、木製の柱、茅、葦を織り交ぜ、草のロープで結んで、段々畑のような家がそこに建てられていたと推測されています。

また、紀元前6世紀ごろのものと見られる木製の柱は保存状態が良く、当時の優れた建築技術が伺えました。

特徴は、越王朝の高床式住居といった木造建築スタイルが、「三次元力学的特性」を持っているということ。

湿地帯の水辺の集落だったことから、潮汐の衝撃に効果的に耐えることができるように設計されており、その技術は唐時代の建物よりも優れていることが明らかになったそう。

この発見は、同じような工法を摂り入れた宋や唐といった後の王朝との前例のないつながりを生み出しただけでなく、印象的な都市設計と建築技術において中国史の専門家に貴重な知識をもたらしました。

今回、考古学者たちは、磁器のコップや赤い陶器の三脚、硬い陶器の骨壷、青銅製の釣り針など、豊富な中国の工芸品も発掘。

さらに、4.5トンの海洋ゴミ、 4.5トンの海洋漂着物、アサリの貝殻やマグロの脊椎骨が見つかりました。

それらの遺物は、当時の民衆が豊富な魚介類の食事を楽しんでいたことを示唆しています。

現在、急速に都市開発が進む中、研究所では貴重な歴史的発見をどのようにして保存するか思索中なのだとか。

間もなく、浙江省博物館でバーチャルリアリティによる復元が始まり、今秋には来館者が古代の漁村地区を「歩く」ことができるようになるということです。

Text by 都築ミロ