砂漠で見つかったピラミッド型建造物と遺物 推定2200年前も「保存状態が素晴らしい」
画像はイメージ(Ian Scott / Wikipedia Commons )
イスラエルのユダヤ砂漠で、謎のピラミッド型建造物が発見されました。
Israel Antiquities Authority(イスラエル考古庁)が発表しています。
イスラエルの砂漠で大量の遺物とピラミッド型建造物を発見
今回、イスラエル考古局と遺産省の合同発掘調査が、ゾハル渓谷の北部に位置するユダヤ砂漠で発見。
そこで発掘されたのは、造物ギリシャ語で書かれたパピルス文書、プトレマイオス朝とアンティオコス4世の青銅貨、武器、ビーズ、木製の道具、織物など、保存状態の良い遺物ばかり。
ユダヤ砂漠の低湿度環境が、遺物の保存に役立ったようです。
湿度が低いとカビが生えにくく、木や繊維のような有機物の反りやひび割れを最小限に抑えることができるのだとか。
ピラミッド型の建造物は、手作業で切り出された石で造られており、1つ1つの重さは数百キロもあります。
建てられたのは、プトレマイオス朝やセレウコス帝国の支配者の時代。
つまり2,200年前にも遡ります。
当時、この地域は両者による勢力争いの真っ只中でした。
しかし、この建造物がどちらの支配下で建てられたのか、またその用途においては今の段階では不明です。
遺跡発掘者は、歴史的な記念碑、墓、あるいは死海から沿岸の港までの商業ルートを守る見張り塔としての役割があったのかもしれないと推測しています。
この発掘調査は、イスラエル考古局が主導し、この地域で絶え間なく行われている違法な発掘や盗掘によって危機に瀕している考古学的発見物を救うための国家プロジェクトの一環です。
調査チームは、180kmに及ぶ崖に沿って、高度な技術を駆使してユダ砂漠一帯を組織的に捜索し、約900の洞窟を突き止めました。
これまでにも洞窟から意図的に隠された巻物やパピルス片、木製器具、武器、皮革製品、硬貨の山など、数千点もの貴重な品々が発見されています。
現在も、今回の発見および発掘については、調査が継続されているということです。