エジプトで3600年前の墓を発掘 「王朝の謎を解き明かす手がかり」
画像はイメージ( Daniel Capilla / Wikipedia Commons )
アメリカ・ペンシルベニア大学博物館とエジプトの考古学者たちが、エジプトの遺跡で新たな墓を発見しました。
【画像】「謎を解き明かす大きな手がかりとなる」発掘された3000年前の遺跡
同博物館の公式ウェブサイトに詳細が掲載されています。
地下7mから新たな墓を発見
新たに発掘されたこの墓は、エジプト・アビドス遺跡の地下約7mの深さから見つかりました。
3600年前の石灰岩でできた墓室は、装飾された扉を備えた入り口が特徴で、泥レンガで覆われた高さ約5mの部屋が多数確認されています。
アビドスはナイル川から約10kmの距離に位置するエジプトの最も古い都市の一つ。
農業や豊穣、再生の神としても知られるオシリス神の墓所とされ、死後の世界への入り口と考えられていました。
また初期のファラオたちのための王墓地として、古代エジプトの政治構造や権力の発展において重要な役割を果たした場所です。
今回発見された墓の王はまだ特定されていませんが、第二中間時代(紀元前1640年~紀元前1540年)に在位したと推定されています。
発掘された墓の装飾や建築様式が、2014年に発見されたセネブ・ケイ王の墓と非常に似ており、前任の王である可能性があると考えられています。
この墓はセネブ・ケイ王のものや他のアビドス王朝の墓と比べて、はるかに大きいことが特徴的。
同大学のジョセフ・ヴェグナー博士は、「この墓の入り口に描かれたヒエログリフのテキストには、かつて王の名前が記録されていましたが、毀損によってその多くは失われています」とコメントしました。
アビドスでは1967年から同施設による発掘が続けられており、今回の発見について彼は「アビドス王朝の謎を解き明かす大きな手がかりとなるでしょう」と語っています。
この新しい発掘結果に対して、SNSでは「(埋蔵室を)早く開けてほしい!悪いことなんて絶対ないよね?」といった期待の声が上がっていました。