南米で60年間目撃されていなかった新種のシカ 体高わずか38cm
画像はイメージ(Chepry / Wikipedia Commons )
ペルーでプーズー属(Pudu)の新たなシカの種が発見されました。
発見の内容は、哺乳類学の学術誌「Journal of Mammalogy」に掲載されています。
60年ぶりにシカの新種が発見される
プーズー属は世界で最も小さなシカの系統として知られ、竹ヤブが生い茂る林などに生息しています。
先住民マプチェ族の言葉で「小さいシカ」を意味する名前が由来です。
これまでプーズー属には、北部プーズー(Pudu mephistophiles)と南部プーズー(P. puda)の2種が存在すると考えられていました。
最新の研究により、北部プーズーの中に2つの異なる種が存在していることが明らかになったのです。
ペルー、エクアドル、コロンビアに分布する北部プーズーは、フアカンババ渓谷を境に、2つの異なる群に分かれているといいます。
この新しい種は、ペルーのフアカンババ渓谷南部に生息しており、今回新たに「Pudella carlae(プデラ・カルラエ)」と名づけられました。
同種の体重は7~9kgほどしかなく、体高は38cmほどと、柴犬のメスとほぼ同じサイズだということです。
研究者たちは、今回の研究によりシカ科オドコイレイ亜科種の多様性が過小評価されているとし、現在の分類法が進化的な歴史を正確に反映していないことを指摘しました。
今回の研究によって発見された新種は、21世紀における最初の新しいシカ種であり、南米では60年以上ぶりだといいます。
この研究成果に世間では、「なんとかわいらしい友達なの」「南米は驚異の国だね」といった反応が寄せられました。