鳴き声を発さないと考えられてきたサメ 録音に初めて成功

画像はイメージ(Albert Kok / Wikipedia Commons

アメリカ・マサチューセッツ州に拠点を置く「ウッズホール海洋生物学研究所」のキャロライン・ニーダー博士(Carolin Nieder)とニュージーランドのオークランド大学の研究チームが、サメの鳴き声に関する論文をイギリスのオープンアクセス誌「Royal Society Open Science」で公開しました。

【動画】初めて録音されたサメの鳴き声

サメの鳴き声

ほとんどの魚は一般的に、浮き袋を振動させて鳴き声を出しています。

浮き袋を持たないサメやエイなどの軟骨魚類は、水中の音を聞き取る聴力はありますが、自発的に鳴き声などの音を発することは無いと考えられてきました。

公開された論文によると研究チームは2021年5月から2022年4月にかけて、ニュージーランド沖で捕獲した10頭のドチザメ科「ホシザメ」の仲間である「Mustelus lenticulatus」を水槽で飼育して観察。

水槽には水面から30cm下の位置にマイクロホンが設置され、今回公開されたサメから聞こえてきた音はこのマイクロホンによって録音された物でした。

今回初めて公開された音声データには、サメの泳ぐ水音と共に「カチカチッ」とまるで小石を叩き合わせるような音が聞こえてきます。

これは、サメが歯をタッピングするように叩き合わせる音です。

このような骨や歯などの硬い部分を叩き合わせたり擦り合わせて発する鳴き声は、魚類の中でも非常に貴重な音声メカニズムだと論文では伝えています。

この研究結果により、今までサメは鳴き声などの音を発することがないと考えられてきた常識を覆すこととなり、今後の海洋生物の研究に一役買うこととなりそうです。

Text by Masumi.D