日本で発見された新種の甲殻類 見た目はパンダ色
画像はイメージ(Hans Hillewaert/ Wikipedia Commons )
広島大学の研究チームが、ユニークな黒白模様を持つ新種の甲殻類「Melita panda(メリタ・パンダ)」を発見しました。
動物分類学に関する学術誌「ZooKeys」に掲載されています。
日本の大学が新種の甲殻類を発見
メリタ・パンダは、日本の和歌山県の潮間帯で発見されました。
体長は4㎜~7㎜と小さく、白と黒のコントラストが鮮やかで、まるでパンダのような色をしています。
また他のメリタ属の甲殻類と比べて、前方に伸びた足の一部である鉤爪(こうそう)や、独特の毛状突起が特徴です。
研究の結果、見た目が非常に似ているメリタ属の種と、形態的および分子的特徴が明確に区別され、新種であることが確認されました。
世界ではこれまでに63種のメリタ属が確認されており、そのうち16種が日本で発見。
日本の沿岸海域には、おそらく未確認のメリタ属がさらに多く存在すると考えられています。
研究を主導した広島大学大学院・人間社会科学研究科に所属している富川光教授は発表の中で、「日本沿岸における端脚類や甲殻類の研究は遅れています。種の多様性を正確に評価するためには分類学的研究が不可欠です」とコメント。
続けて「今回のパンダ模様を持つ新種の発見が、生物多様性や分類学への関心を高めるきっかけになれば」と話しています。
この発見に対し、生物工学の学士号を取得したネットユーザーが「皆さん!興味深い科学論文です」とコメントし、論文を共有するなど関心が寄せられています。