5000年前の遺跡新たな真実 これまでの仮説を覆す可能性大
画像はイメージ(אסף.צ / Wikipedia Commons )
通称「ゴーストの輪(Wheel of Ghosts)」として知られる、シリアのゴラン高原にある5000年前の遺跡「ルジュム・エル・ヒリ」。
これまで天文学的な観測所だと考えられていた仮説を覆す研究が明らかになりました。
オープンアクセス専門の出版社「MDPI」が運営する「Remote Sensing」で発表されています。
5000年前の遺跡に新たな真実
テルアビブ大学とベングリオン大学の共同研究チームが、 地磁気分析と構造再構築技術を用いて、過去1億5,000万年にわたる地殻運動を解析。
その結果、地盤の動きが年間8~15mmの速度で進行し、遺跡の構造が長期間にわたり回転し、再配置されていたことが明らかになりました。
これにより、従来の天文観測所説に疑問が生じる結果となっているのです。
さらに、研究チームは周辺の考古学的景観を初めて包括的に地図化し、40~90mの直径を持つ円形の構造物や、約20mの円形囲いを特定することに成功。
これにより、農業や家畜飼育のための施設が存在した可能性が高いことが考えられるといいます。
また、多くの墳丘も記録され、その一部は貯蔵施設や避難所として使用されていたと推測されています。
「今回の研究は、ルジュム・エル・ヒリの理解を深め、ゴラン高原の古代の生活や地域内のさまざまな考古学的発見との関連性を明らかにする手がかりとなります」と研究チームは結論付けています。
この研究に対し、ネット上では、「この地域の人々のニーズの変化に伴い、この構造物の目的も長年にわたって変化してきたようですね」「農業で使用されたというのはその通りだと思います」といった意見が上がっていました。