最大100匹が入るコロニーを形成 発見された新種のジリス

画像はイメージ(Rotadefterim / Wikipedia Commons

ノースカロライナ大学グリーンズボロ校(UNCグリーンズボロ)の研究チームが、北米で新種のジリス「スネークリバー・プレーンズ・ジリス(Urocitellus idahoensis)」を発見しました。

【動画】発見された新種のジリス

哺乳類研究誌「Journal of Mammalogy」に発表されました。

新種のジリスを発見

スネークリバー・プレーンズ・ジリスは、乾燥した砂漠地帯に生息し、地面に掘った巣穴で暮らす動物です。

小さな耳、短い四肢、長い爪、短い尾が特徴で、地中生活に適応した体のつくりをしています。

また、群れを作る習性があり、野球場1面分(約4,046平方メートル)あたりには最大100匹のコロニーを形成することがあります。

このジリスは見た目がピウテジリスと酷似しており、長年、区別されていませんでした。  

しかし、遺伝子の違いから、ピウテジリスよりもむしろ絶滅危惧種のアイダホジリス(Urocitellus brunneus)に近いことが判明。

スネークリバー・プレーンズ・ジリスの生息域は、急速に都市化が進む地域と重なっており、外来植物であるウマノチャヒキの侵入による生息地の変化も懸念されています。

さらに、農作物を荒らすとして狩猟の対象になることもあり、個体数の減少が危惧されているといいます。

この研究に8年から9年を費やしたブライアン・マクリーン博士は、「生物多様性に関する知識に貢献できたことに満足していますが、何よりも新しい発見そのものに貢献できたことに、非常にワクワクしています」と話しています。

この新種の発見に対して、ネット上では「なんて素晴らしいのでしょう!彼らがいてよかった」といった感動の声が多く寄せられました。また、「素敵ですね。ぜひ保護しましょう」というコメントも見受けられました。

Text by 本間才子