世界最古の記録を大幅に更新 35億年前の隕石クレーター

画像はイメージ(Alex Ang/ Wikipedia Commons

オーストラリア・カーティン大学の研究者たちが、地球上で最も古い隕石衝突クレーターを発見したと発表しました。

【動画】地球上で最も古い隕石衝突のクレーター

地球の形成過程や生命の起源に関する理解に影響する可能性があり、大きな反響を呼んでいます。

世界最古の隕石衝突跡

カーティン大学の地球惑星科学部と西オーストラリア州地質調査所(GSWA)の研究チームは、オーストラリア・ピルバラ地域にあるノースポール・ドームで岩層を調査。

今回、約35億年前に発生した隕石衝突の証拠を発見しました。

研究を率いるジョンソン教授は「これまで発見されていた最古の衝突クレーターは22億年前のもので、今回の発見はそれを大きく上回るものです」とコメントしています。

研究チームは、隕石が衝突すると岩が特有の形状になる「シャッターコーン」を手がかりに調査を進めました。

その結果、隕石は時速36,000km以上で地球に衝突し、クレーターが形成されたことが判明。

このクレーターは100km以上の大きさを持ち、衝撃で地球全体に岩や物質が飛ばされたと予測されています。

ジョンソン教授は、「月のクレーター調査から、初期の太陽系では大規模な衝突が多かったことが分かっていますが、古い衝突クレーターはほとんど注目されていませんでした」と言及。

今回の発見が地球の衝突歴に関する重要な手がかりとなることを示唆しています。

カーティン大学のクリス・カークランド教授は、「隕石衝突が生命の起源に関与した可能性があり、衝突によって熱水プールなど微生物に適した環境が作られたかもしれません」と説明しています。

また、隕石衝突が地殻形成に影響を与え、現在の大陸の基盤となる「クレートン」の形成に関与した可能性も示唆されています。

この発見に対しインターネット上では、「この地区に住んでいますが、地表に貝殻がたくさんあります。かつて海だたことは明確です」「この衝突が生命を育む出来事だった可能性はありますね」といった意見が寄せられていました。

Text by 本間才子