1500年前の新種の魚の化石を発見 「新たな道が開かれた」

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オーストラリアのニューサウスウェールズ州で、1500万年前の新たな魚の化石が発見され、「Ferruaspis brocksi(フェルアスピス・ブロクシ)」と命名されました。

【画像】最近発見された、1500万年前の化石

オーストラリア国立大学(ANU)が、公式サイトで発表しています。

オーストラリアで見つかった新種の魚の化石

新種の魚は、ジョーケン・ブロックス教授率いる研究チームによって、マクラス・フラット化石サイトで発見されました。

教授らが発掘したマクラス・フラット化石サイトは、オーストラリアでも数少ない、化石が非常に良好な状態で保存された場所として注目されています。

この周辺の化石は、約1100万〜1600万年前のものとされ、その時代のオーストラリアの温暖で湿った熱帯雨林の生態系を示していると考えられています。

教授は、「世界初の発見が私の名前を冠して命名され、とても誇りに思います。オーストラリアの淡水魚の進化や生態系を理解する新たな道が開かれました」とコメント。

この魚は、オーストラリアでは初めて発見された淡水産ワカサギの化石で、オオウナギ目の魚類に属します。

胃の内容物が非常に良好に保存されており、蚊の仲間のファントム・ミッジの幼虫を主な餌としていたことが判明。

尾には寄生虫の一種である若い淡水ムール貝が付着していたことも確認されました。

さらに、オーストラリア・キャンベラ大学とCSIROの共同研究により、この魚の色も明らかになりました。

強力な顕微鏡で観察の結果、魚の背中が暗色、腹部が明色であることがわかっています。

このニュースに対して、ネット上では「先住民が食べていた魚ですね」や「泥が腐敗を防いで良好な状態で保存されていたのでしょうか」といった考察や意見が上がっています。

Text by 本間才子