研究で判明したミイラのにおい 「嗅いでみたくなった」
画像はイメージ(Flicker/ Paul Hudson )
保存状態を判断するため、研究者が9体のミイラのにおいを発表しました。
エジプトの古代ミイラから漂う香り
現在、スロベニアのリュブリャナ大学とイギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究者たちは、ミイラの保存状態を匂いから判断する方法を探る研究をしています。
この研究は、ミイラの生体を傷つける事なく分析できると期待されています。
研究チームは、カイロのエジプト博物館に保管された新王国時代からローマ時代のミイラ9体を調査。
小さなチューブでミイラ周囲の空気を取り、専門家がその香りをかいだところ、多くは「木の香り」「スパイシー」「甘い」「お香のような香り」など、心地よいものと評価されました。
ただし、においの特徴はミイラごとに異なり、一部には腐敗やカビのような臭いも感じられたといいます。
研究者たちは、においの成分も特定。
ミイラ化の過程で使われた物質や微生物、保存に使用された植物油などが香りの元となっていることがわかりました。
展示されたミイラは、ケース内で保管されていたため、より多くの化学物質を含んでいましたが、保存状態や年代による顕著な違いは見られなかったようです。
研究に携わった科学者たちは、ミイラの過去のにおいを嗅ぐことについて「3500年も前のミイラが放つ香りが、驚くほど馴染み深い紅茶の香りに似ていることに、私たちは驚きました」と話しています。
過去のにおいを完全に再現することはできませんが、ミイラ化に使われた香料や儀式的な役割を理解する手がかりとなる貴重な研究として、専門家たちは今後も研究を進めて行く予定だということです。
ネット上では「嗅いでみたくなった」「意外」といった反応があがりました。