税関職員がトラックの中で見つけた密輸品 白亜紀後期の化石であることが判明
画像はイメージ(Flicker/ Shannon Prickett )
生きた野生生物から薬物まで、密輸者たちはあらゆるものを違法販売するために国境を越えて持ち込もうとしますが、今回フランスで予想外の密輸品が発見されました。
トラックの中から化石を発見
2025年1月28日、イタリア国境付近の高速道路で通行者を検査していたフランスの税関職員は、スペインから来たトラックを検査中に、2つの小包に目を留めました。
職員が中を調べると、そこには化石らしきものがあったのです。
職員は近くの都市にある博物館に送り、調査を依頼。
調査の結果、モロッコの白亜紀後期(7,200万年から6,600万年前)の爬虫類の歯の化石だったことが判明します。
歯は3種で、合計9本でした。
シンガポールメディアの「The Straits Times」などによると確認した専門家は、歯のひとつは2011年にモロッコで発見され、命名されたという大きさ約3mの海洋爬虫類、ザラファサウラ・オセアニス(Zarafasaura oceanis)のものと推測。
3つは、12mもある大きな水棲生物モササウルス(Mosasaurus)のもので、他の5本の歯は、ワニの遠い祖先であるディロサウルス・フォスファティクス(Dyrosaurus phosphaticus)のものだと考えられています。
トラックは、フランスからイタリアのジェノヴァとミラノに入り、小包を配達する予定だったようで、現在は当局が小包の受取人の特定を捜査中とのこと。
フランスでは化石の採集は合法ですが、輸出には通常許可証が必要です。
ところが、化石や鉱物などがモロッコから違法発掘され、密輸されるケースが後を経たちません。
現在、恐竜の化石は密輸業者の間で注目を集めており、専門家は博物館側が民間の入札者に向けて、オークションで希少な化石や標本を出展することを懸念しているということです。