世界で18例しかない遺伝子疾患を患った18歳 15kg・109cmの体で死亡
画像はイメージ(Flicker/ Dekcuf )
成長が困難で、子供の体に閉じ込められてしまう世界的に稀な遺伝子疾患を持った女性が、18年の生涯を終えました。
遺伝子疾患で子供の体から成長できなかった女性
2025年2月9日、イタリア人のエレナさんは、18歳という若さでこの世を去りました。
エレナさんが患っていたのは、NUBPLミトコンドリア病という極めて稀な病気。
「Journal of Medical Genetics」誌によると、2020年の調査では世界で18例しか確認されていないといいます。
一般的な症状として、発作や知的障害、運動失調(筋肉の協調性がなく、不器用な動きをする神経学的状態)などがあると言われています。
エレナさんは、体が老化しないという極めて稀な症状もありました。
イタリアで、この病気を患っている人が確認されたのは、エレナさんだけでした。
エレナさんがこの病気と診断されたのは、2016年の10歳の時のこと。
エレナさんの臓器は正常に機能することが困難なため、3〜4時間おきにミネラル塩を点滴しなければならず、瘢痕(はんこん)化と息切れを引き起こす肺の病気にも苦しんでいたそうです。
そのため、15歳の時点でエレナさんの体重はわずか15kg、身長は109cmで、子供の体に成長が閉じ込められてしまっていました。
エレナさんの母アンドレアさんは、複数の臓器障害と病気による合併症のために、18歳で生涯を終えた最愛の娘のことをインスタグラムでシェア。
難病とせいいっぱい闘ったエレナさん。
最期は、地元ジェノバの病院で、両親と3人のきょうだいたち家族に看取られて旅立ちました。
葬儀は2月11日、ジェノバの教会で執り行われたということです。
悲しいことに、現在ではこの難病を完治させる治療法はありません。
だからこそ、エレナさんのような患者の家族たちは、同じ診断を受けた子供たちが、この先少しでも回復できるようになる研究を支持するためのネットワークを作り、その費用のための寄付を呼びかけています。
エレナさんのことを知ったユーザーからは、「普通に生きるということがどんなにありがたいことか」「どうか安らかに」といった追悼の言葉が寄せられています。