自分の骨格を死後博物館に寄付 亡き愛犬と一緒に展示

画像はイメージ(Flicker/ Norman Harman

アメリカの博物館に自分と愛犬の骨格を寄付した人類学者がいました。

【画像】博物館に展示されている愛犬と飼い主の骨格

寄付の条件は愛犬と一緒にいられることだったそうです。

愛犬と博物館に寄付された飼い主

2002年2月14日に、人類学者のグローヴァー・クランツさん(Grover Krantz)は膵臓がんのため70歳でその生涯を閉じました。

The Washington Postによるとグローヴァーさんは生前、アメリカ・ワシントンD.C.にあるスミソニアン博物館に、自分の亡き後に骨格標本として自分の骨を献体すると申し出たそうです。

「私は生涯ずっと教師をしてきたんです。だから死んだ後も教師でありたいと思っています。それで私の体をあなた方に差し上げようかと考えている」

博物館側は喜んで引き受けることにしたのですが、グローヴァーさんからはたった一つだけ条件がありました。

グローヴァーさんは、すでに亡くなっているアイリッシュ・ウルフハウンドの「クライド」の骨を博物館の関係者に見せ、「僕の犬を連れて行きたい」と述べたそうです。

グローヴァーさんはクライドをこの上なく愛していて、骨を大事に保管していたのです。

さらに1枚の写真を見せて、「この写真と同じポーズで骨格をワイヤーで組み立てて欲しい」と言いました。

写真には、後ろ足で立ち上がってグローヴァーさんに抱きつくクライドの姿がありました。

グローヴァーさんが亡き後、写真のようにポーズを取るグローヴァーさんとクライドの骨格がスミソニアン国立自然史博物館に展示され、多くの来館者がグローヴァーさんのクライドに対する愛情を目の当たりにすることとなりました。

グローヴァーさんとクライドの骨格は来館者だけでなく将来科学者を目指す人たちにとっても重要な教育ツールとなっているそうです。

Text by Masumi.D