真っ二つに割れて修理された皿 「信じられないほど希少」380万円で落札

画像はイメージ(Flicker/ Chris Hunkeler

2014年、イギリス国営放送局BBCの人気テレビ番組「アンティーク・ロードショー」に無造作に持ち込まれた皿が、鑑定した専門家を大いに驚かせました。

【画像】割れて修理されても380万円で落札された皿

10年以上前に専門家が鑑定した2枚の皿が高額で落札

イギリスのとある家族が所有していた2枚の皿は、歴史的な手がかりを探るヒントになり得る、とんでもなく価値あるものだったようです。

それが判明したのは、今から10年以上前の2014年のアンティーク番組でした。

BBC放送の「アンティーク・ロードショー」は、各地を回って地元の人たちが所有している「価値があるのかどうかわからない」骨とう品やジュエリーなどを、専門家に鑑定してもらう公開鑑定番組。

夫の実家の廊下に長い間飾っていたという2枚の絵皿を鑑定してもらおうと、ある女性が番組に参加しました。

2枚のうちの1枚は、過去に真っ二つに割れ、修理した痕が明らかでした。

女性は2枚の絵皿を無造作にバッグに入れてやってきました。

その皿を見た陶磁器の専門家は「デザインも色も珍しい。手に入れるのが困難な、信じられないほど希少な品」と評価したのです。

割れた方の皿の絵は、1685年から1688年の間に在位した最後の英国カトリック君主、ジェームズ2世を描いたもので、もう1枚は岩だらけの風景の中に立つ中国人像が描かれていました。

2枚の皿は、ブリスリントン・デルフト工場で作られたもので、どちらも1世紀以上も市場に出回っていない錫釉(すずゆう)土器の一種と判明しました。

番組の中で絵皿の価値を知った女性は、興奮と驚きでその場に泣き崩れたそうです。

その17世紀の貴重な工芸品が、2月5日のオークションで2万ポンド(約380万円)で落札されたことにオークション会社は喜びを露わにしました。

思ってもいない価値がある骨とう品や絵画が、ごく普通のお店やリサイクルショップで放置されたままになっていることもあります。

価値が判明した時の興奮は、何ものにも代えがたいものですね。

Text by 都築ミロ