病気で片腕を切断した女性 腕の葬儀を執り行い22年間の命に別れ

画像はイメージ(Flicker/ Tony Alter

滑膜肉腫で片腕を切断した22歳のアメリカ人女性が腕の葬儀を執り行い、これまでの感謝と別れを告げました。

【画像】がんで切断した腕の葬儀を執り行う女性

利き腕に、お別れの葬儀

エルディアラ・ドゥセットさんが、滑膜(かつまく)肉腫というアメリカでは年間1,000人ほどしか罹患しない希少な軟部組織がんと診断されたのは、2019年のこと。

以降、自身のSNSアカウントで、治療の様子や日常の自分自身を投稿してきたドゥセットさんですが、2024年の10月、腫瘍を取り除くために利き手の肘上を切断する手術を受けました。

切断手術を受ける前、ドゥセットさんは腕にメッセージを書き、22年間の自分の人生において利き手が果たした役割に感謝の気持ちを表しました。

また、2025年1月15日には、切断した腕にお別れの儀式を執り行った時の様子を投稿しています。

葬儀には、ドゥセットさんの家族やボーイフレンド、友人など少人数が参加。

ドゥセットさんは、全身黒の衣装とベールという厳かな装いで、 防腐処理を施された腕の横にひざまずいて最後の別れを告げ、正直な気持ちを吐露しました。

「失った手と腕と過ごした22年の歳月を思い出した。私の利き手は、たくさんの人の手を握り、愛する人の肌に触れ、クモを拾って外に持ち出し、歩道のミミズを救い、涙を拭き、犬を撫で、たくさんのタンポポを摘んできた。ピアノを弾き、ギターを弾き、ウクレレを弾いた。

こんなことになってしまって残念だけど、あなたはよく私に尽くしてくれた。良い思い出、痛み、そして喜びをありがとう」

健康だった自分を思い出し、失った腕に別れを告げることは、ドゥセットさんにとってとても辛く悲しいこと。

ですが葬儀をしたことで最終的に解放感をもたらし、人生に新たな可能性を開いたようです。

今、新しい現実に伴う変化を受け入れ、左手を使うことに適応するための困難を乗り越えることを学んでいるドゥセットさん。

彼女のインスタグラムアカウントには、多くの激励のコメントが寄せられています。

Text by 都築ミロ