支柱なしで5m張り出している建物 8回の大地震に耐え愛称は「不死身ビル」

画像はイメージ(Flicker/ Alexander Henning Drachmann Follow

南米エクアドルのマチャラ市にある不安定なビルは、多くの地震を乗り越えてきたことから「不死身」ビルと呼ばれているそうです。

【動画】今にも倒壊しそうな「不死身ビル」

エクアドルにある、今にも倒壊しそうなビル

エクアドル・マチャラの中心部に位置する4階建てのビルは、遠くから見ると何の特徴もない普通のビルに見えますが、近付くといかに不安定な外観であるかがわかります。

ビルの1階部分はとても狭く、上層3階が支柱なしでなんと5mも張り出しているのです。

1階には企業がテナントとして入っていて、上階部分はアパートになっているとのこと。

エクアドルは、地震が多い国。

わずかな揺れでも崩壊してしまいそうな外観ですが、実はこれまで一度も倒壊したことがないようです。

多くの地震に耐えてきたこのビルには、いつしかエル・インモータル(不死身)というニックネームが付きました。

しかし、2023年にマグニチュード6.5を記録した地震が発生し、このビルはわずかに前に傾きました。

複数のメディアが「倒壊の危険性がある」と報じ、歩行者の安全のために建物周辺の歩道にはテープが張られました。

ビルの所有者は、メディアに対してこのように主張しています。

「このビルは、エクアドル最大の都市グアヤキルで、最も高いビルを建てたエンジニアが建てました。とても強固な土台と非常に深い基礎を持っていて、安全です」

確かに、30年以上建っているという不死身ビルは、これまで8回もの大地震に耐えてきました。

不安定なビルにもかかわらず不死身とよばれるビル。これからも奇跡的に倒壊を免れるのでしょうか。

一部の地域住人からは、「もし大きな地震が来たら、今度こそ倒れるのでは」と不安の声もあがっています。

Text by 都築ミロ