返却期限を72年過ぎていた本 図書館に戻ってきて「状態が良すぎる」
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延滞代金はいったいいくらになるのでしょう。
アメリカ・ニューヨークにあるニューヨーク市立図書館で、72年間返却されていなかった本が戻ってきて、職員を驚かせました。
返却期限を72年も過ぎていた図書館の本
その本は、1936年に出版されたイーゴリ・ストラヴィンスキーの自伝。
2024年12月、クリスマスの数日前に図書館の5番街分館から電話を受けたビリー・パロット館長は、1952年4月4日に貸し出されていた本が今になって戻ってきたことを知らされ、驚きました。
パロット館長によると、返却期限をずいぶん過ぎた80年代や90年代の本が図書館に戻ってくることはたまにあるそうですが、50年代の本となるとめったにないとのこと。
本を借りた女性は、すでに亡くなっていました。
しかし、女性の息子だという人物が「母親がハンター・カレッジで音楽を学んでいた時、ブロンクスにある図書館のウッドストック分館から借りてきたものです」と説明し、返却に来たのです。
聞けば、その女性は一時期ブロンクスにあるニューヨーク市立図書館で働いたこともあったそう。
幸い今は、ニューヨーク市立図書館では延滞料金は廃止されていますが、延滞料金がかかる図書館だったら…と考えるとちょっぴり怖い気もします。
同図書館インスタグラムアカウントには、借りたままになっている本のことを思い出した人がいるかもしれないと、「延滞料が怖くて返せない? 安心してください! 当図書館は2021年以来、延滞料金は請求しておりません」と投稿にちなんで呼びかけています。
確かに、「ついうっかり」は誰にでもありますが、72年という長さは人の一生分とも言える長さ。
今回返却された本は、「特別なストーリーを持つ本」として、図書館に保管されることになったそうです。
ネット上では「72年前とは思えないほど保管状態が良い」「戻ってきてよかった」といった反応が上がっています。