子供の頃、ゴミ捨て場でもらった絵画 13年後に660万円で落札

画像はイメージ(Flicker/ くーさん

古美術品や絵の中には、その価値が知られないままゴミ同然に扱われてしまうことがたまにありますが、イギリスの男性はゴミ置き場でとんでもない掘り出し物を手に入れました。

【画像】ゴミ捨て場で発見、約660万円で落札された絵画

捨てられていた版画の正体

イギリス・ケント州に住むマット・ウィンターさんは、10歳の頃から骨董品に興味を抱いていて、面白そうなものを探しては拾い集めていました。

今から13年前、家族と地元のゴミ捨て場に行ったマットさんは、自分たちと同じように車でゴミを捨てに来た女性がトランクから運び出した物に興味津々。

それはA4サイズの版画で、犬を連れた鎧の騎士が馬に乗り、悪魔と死の像が描かれたものでした。

マットさんは一目でその絵を気に入り、女性から絵をもらい受けると、新たなコレクションに加えました。

額に入れられた絵はそれから13年間、完璧な状態のまま物置で放置されることに。

最近、古い骨董品の整理を始めたマットさんは、その絵を査定してもらおうと専門家に持ち込んだところ、驚くべき事実が発覚しました。

なんとそれは、ラファエロやレオナルド・ダ・ヴィンチと同時代の画家で、ルネサンス期において最も尊敬された画家の1人、アルブレヒト・デューラーが描いた「騎士と死と悪魔」の原画だったのです。

後に絵はオークションに賭けられ、最終的にバイヤーズ・プレミアム価格の33,390ポンド(約660万円)でドイツのコレクターが落札。

物置で人目に触れることなく長い間放置されていた歴史的価値のある絵は、こうしてデューラーの故郷であるドイツに戻っていきました。

Text by 都築ミロ