皮膚病にかかり、全身の毛が抜けていたクマ ゴミ箱で発見されてから数年後の姿
2017年のクリスマス・イヴに、アメリカ・カリフォルニア州北部でやせ細った子グマが保護されました。
皮膚の病気で毛が抜けたクマ
子グマは皮膚の病気にかかっていて、毛が全部抜けてしまっていました。
カリフォルニア州北部でゴミ箱から発見され、野生動物センターに保護された子グマの“イヴ”は、体重が当時13.6kgしかありませんでした。
栄養失調で痩せ細り、疥癬(かいせん)という皮膚の感染症にかかっていたのです。
そのため、イヴの全身の毛はほとんど抜けた状態で、保護区では「裸のクマ」として知られるように。
療養のためにカリフォルニアのセンターで2年間過ごすことになったイヴは、やがて食欲が出て、皮膚病も回復に向かいました。
センターのスタッフたちは、すっかり健康を取り戻したイヴを野生に戻すかどうか悩みましたが、自然界で生き延びるにはやはり厳しいだろうと判断。
2019年12月、イヴをテキサス州マーチソンにあるブラック・ビューティー・ランチという自然保護区へ移しました。
この広い保護区には、飼育放棄や虐待を克服した5頭のクマを含むさまざまな動物たちが暮らしています。
ゴミ箱から救助されて7年。
イヴは、見違えるほど立派に成長し、体重も72.5kgになりました。
もう、痩せ細った裸のクマではありません。
イヴには、フサフサとした茶色の立派な毛が生えそろっています。
今、イヴは自然保護区で他の動物たちと交流しながら元気に過ごしています。
保護区や救助隊にとって一番うれしいのは、イヴが水遊びをしたり、木登りしたり、草や木の匂いを嗅いで寛ぎながら、生き生きとした日々を送っているということ。
これからも永遠の家となった保護区で、元気に過ごしてほしいですね。