「どこでも起こりうる」 日本人学校刺殺事件に対する中国外務省の声明に海外メディアも注目

画像はイメージ(Flicker/ Philip Jägenstedt

2024年9月18日の朝、登校していた10歳の男児が44歳の中国人男性に刺され、翌19日に亡くなりました。

【動画】海外メディアも中国外務省の声明に注目

これを受けて、中国外務省の林剣報道官が会見で話した内容に批判の声が高まっています。

中国の日本学校生徒刺殺事件に外務省が発表した声明

事件後、日本の上川陽子外相は「深い悲しみを禁じ得ない。心からお悔やみを申し上げる」と哀悼の意を表明。

また、日本政府として「日本人の安全対策、再発防止に向けた追加的な措置の検討を指示した」と明らかにしました。

一方、中国外務省の林剣報道官は記者会見で、「不幸な事件」に遺憾と悲しみの意を表しましたが、続けて「本件は個別の事案であり、同様の事例はどの国でも起こり得る」とし、中日両国の協力に影響はないとする意識を示しました。

ネットでは「決して個別の事件ではない」といった、中国外務省の発言に反発する反応が上がっています。

海外メディアも今回の事件に注目しており、カタールのメディア「Al Jazeera(アルジャジーラ)」は、「中国にある日本人学校の近くで刺された子供が亡くなる」と第した記事を配信。

林剣報道官の「どこでも起こりうる」という発言についても報じており、「中国で暮らすすべての外国人の安全を保証するよう、中国は効果的な行動を今後も取り続けていく」というコメントも掲載しました。

また、日本大使館が「最近の刃物による襲撃事件を受け、中国在住の日本人に予防策を講じるよう警告した」とも。

さらに、アジアニュースを中国語で発信する「自由亚洲电台(ラジオ・フリー・アジア)」も報道。

同メディアは、アメリカ政府の出資のもとでニュースを配信しています。

事件現場に花を手向ける市民の様子を紹介し、上記の中国外務省の発言についても報道しました。

同メディアのYouTube動画には、「煽る勇気はあっても認める勇気がない」「どこの国の教育理念に『憎しみ』が基づいているのか」などといったコメントが寄せられています。

立て続けに日本人を狙った犯行を「個別」と片づけるのはあまりにも安易です。

出典:Al Jazeera自由亚洲电台

Text by 本間才子