155円台後半の円安時にハワイ旅行に行った結果? 1回のランチ代などを徹底紹介
ハワイ州産業経済開発観光局によれば、2024年5月の日本からの訪問者数は46,124人でした。
コロナ禍前の2019年5月の113,226人には依然として大きく及びません(-59.3%)が、2023年5月の34,141人から35.1%の増加を見せています。
とはいっても、コロナ禍を経てほぼ通常の生活に戻ったと思ったら円安が進み、海外旅行より国内旅行を選ぶ人も多いと言われています。
この夏は日本人観光客が大勢訪れているのでしょうか?
円安の時にハワイを旅行するとどうなる?
筆者は2024年7月20日から26日までホノルルを観光。
その間に為替レートは1ドル157.49円で始まり153.36円まで円高になったあと、最終日は154.13円でした。
ワイキキのホテルのスタッフ、コーリーさんは「日本人観光客数の減少を特に感じていない」と明かしてくれました。
コーリーさんによれば、2024年3月の卒業シーズンとGWには、大勢の日本人観光客がハワイを訪れていたそうです。
しかし、「今の時点ではそれほど日本人観光客は多くないかも知れない」と述べます。
コーリーさんは子供の夏休みが始まったらもっと日本人が増えることを期待しています。
ホノルル市内の物価はどんな感じかというと、例えばバスの片道運賃は3ドル。
円に換算すると472円ですから(7月20日の対ドルレート157.49円で計算)、日本の倍以上ですね。
ハワイを訪れる観光客も地元の人もよく食べるプレートランチ(おかず2、3品にご飯か麺類をチョイスして紙の箱に入れてもらう)は、コロナ禍前は9ドルから12、13ドルが一般的な価格でしたが現在では15ドルから20ドルぐらいが平均的。
たとえばフードコートのローストチキンの店でオーダーしたチキン1/4羽におかず2品のテイクアウトの代金は17.75ドル、日本円で約2,800円(7月21日の対ドルレート157.49円で計算)でした。
庶民的だったプレートランチが、こんなに高額とは驚きます。
日本のランチタイムでこれくらいの金額を払えば、立派なフレンチかイタリアンのレストランで前菜、メイン、コーヒーまでついたランチセットが食べられますね。
コーヒーショップで飲むコーヒーも、一番安いレギュラーコーヒーでも6ドル、日本円で900円を超えるので(7月23日の対ドルレート156.74円で計算)、一日に何杯も飲んだら大変な出費です。
ショッピングセンターに日本人は少なめ
ホノルルのダウンタウンのコーヒーショップに話を聞くと、ここを訪れる日本人観光客の数は随分減ったとの事。
元々ワイキキに比べるとビジネス街であるダウンタウンまで足を延ばす日本人観光客は少ないので、それがさらに減ったという事かも知れません。
普段なら日本人が多いワイキキやハワイ最大のショッピングモール、アラモアナショッピングセンターも以前より日本人は減ったように見えます。
ですが同センター内のGAPで働く若いスタッフに聞くと、相変わらず日本人観光客は多いと感じているそうです。
「自分の周りにはドル高の今、日本に観光旅行に行く友人が多い」と話しました。
ハワイ旅行中の日本人はどうしている?
ハワイに旅行中の日本人観光客は円安と物価高の中、どうしているのでしょうか。
話をきいてみました。
スーパーで買い物をしていた日本人家族。
「お土産は高くても仕方ないけれど、例えばホテルの部屋に置いてあるお菓子を子供が欲しがった場合、割高なため開封せずにスーパーで買うなどして節約している」と話してくれました。
同じスーパーのレジで後ろに並んだ若い日本人カップルは、「物価が高い事は承知の上だったので支払いのたびに円に換算して考えず、こちらにいる間は楽しむつもりだ」と言って笑いました。
アラモアナのフードコートで仲良くひと皿の料理をつまんでいた70代の夫婦は、「歳をとったのでそれほど食べられないし、こちらは料理の量が多いのでフードコートで一人分を買って2人で分けてもお腹いっぱいになり、食費はそれほどかかっていません」と言います。
アラモアナの案内所のスタッフは、コロナ禍を経て施設内の店舗の多くが入れ替わったと言います。
残念な事に地元の小規模な店はロックダウン中に持ち堪えられず、どんどん廃業してしまったそうです。
コロナ禍が過ぎた現在では、そういった店の代わりにカルティエなどの高級ブランド店が増床中で、センター内は困窮して廃業する店とこのご時世でも勢いのある店に「二極化してしまった」と複雑な表情を見せました。
また、コロナ前は働いていた人たちの中にはコロナのロックダウンが解除されても仕事に復帰せず、そのままリタイアした人も多いとか。
そんな事もあり、現在ハワイでは人手不足の状況で、店が高い時給をオファーして求人広告を出しても人が集まらないのだそうです。
確かにレストランやショップで「スタッフ募集中」の張り紙をよく見かけました。
ハワイは元々物資をアメリカ本国から輸送しているため物価高だったのですが、それに加えて最近のエネルギーや原材料コストの上昇でますます物価高になっています。
厳しい状況を反映するかのように、コロナ前と比べて街角にホームレスが増えました。
前述のホテルスタッフ、コーリーさんは、物価高対策として外食やテイクアウトはせず、食材を買って自炊しているそうです。
同年8月2日現在では149円まで円高が進んでいます。ですが今海外に行っても、すぐに物価高が収まるわけではありません。
また、数年前と比べ円安であることに違いもありません。
日本からハワイを訪れる観光客は円安、物価高の影響を感じていますが、現地の人たちにとっても厳しい状況のようです。