台湾・香港人には珍しい日本のスポット 「地元には動物と触れ合える施設がない」
日本は古くから「自然の国」として知られ、多彩な動物を有しています。
近年では台湾や香港からの訪日観光客の増加に伴い、この分野への関心が一層高まっているようです。
日本の動物に台湾・香港旅行者が夢中
株式会社ジーリーメディアグループが運営する、台湾・香港の旅行者向け日本観光情報サイト「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」にて、動物に関する調査が実施されました。
調査は2024年4月15日から26日にかけてインターネット上で実施。
同サイトの台湾人・香港人ユーザーから3,767件の有効回答が集まりました。
その結果、日本を訪れたときに動物を見たり触れ合ったりできる場所に行きたいと答えた人が82.4%と、圧倒的多数を占めていることが分かりました。
内訳は、「絶対に行きたい」が14.2%、「できれば行きたい」が68.2%。
こうした場所で何がしたいかを尋ねたところ、「動物と一緒に写真が撮りたい」が最多でした。
次いで「動物にエサをあげたい」「小動物を抱っこしたい」と続いています。
動物の種類別では、キツネが群を抜いて人気が高く、唯一過半数を超えました。
2位の鹿を大きく引き離しています。ペットとして身近なネコや犬も人気でした。
訪れたい場所としては、水族館がトップ。
しかし、「野生の動物がいる公園や地域」、「動物が放し飼いの動物園」も高い人気を誇り、伝統的な動物園以外の選択肢にも強い関心がうかがえます。
動物スポットに行きたい理由については、「日本の動物園は環境がよくきれいで清潔感を感じるため」が最多でした。
次いで「地元では野生に近い動物が見られないため」、「地元には動物と触れ合える施設がない/少ないため」と続いています。
この調査結果から、台湾や香港の旅行者は、日本ならではの自然環境や動物との触れ合い体験に強い関心を寄せていることが読み取れます。
地元にはない「非日常的」な体験を求めているようです。
清潔で衛生的な施設という日本の動物園の評価も高いことが分かりました。
観光庁が公表した2024年1-3月期の訪日外国人消費動向調査では、台湾人の旅行消費額が2,512億円で2番目、香港人が1,543億円で5位となっています。
両者を合わせると中国を上回る規模となり、日本のインバウンド消費を大きく支えていることが分かります。
今回の調査結果は、台湾・香港からの旅行者層の嗜好を改めて示すものになりました。
日本各地の自治体や観光施設は、こうしたニーズを的確に捉えた魅力的な動物園や水族館の整備や情報発信に力を入れることが求められそうです。