ミセス新曲「コロンブス」MVに人種差別表現 海外の反応
ロックバンドMrs. GREEN APPLEの新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)が、人種差別的な内容であるとして大きな物議を醸しています。
【画像】宣伝されていた「Mrs. GREEN APPLE」新曲の「コロンブス」
同曲はコカ・コーラの「Coke STUDIO」キャンペーンソングとして制作され、2024年6月12日にYouTubeで公開されましたが、すぐさま批判の渦に巻き込まれることになりました。
Mrs. GREEN APPLEの「コロンブス」が物議を醸し非公開に
MVでは、メンバーがコロンブス、ナポレオン、ベートーヴェンといった歴史上の人物に扮し、ある南の島を訪れるストーリーが描かれていました。
しかし、その島の住民が類人猿のように描かれ、彼らに西洋文化を教えたり、人力車を引かせたりする内容が含まれていたのです。
この設定について、多くの視聴者から厳しい批判が寄せられました。
その理由は、クリストファー・コロンブスが実際に新大陸の先住民に対して行った残虐な行為が近年明らかになり、かつて「ヒーロー」視されていた同人物の評価が大きく転落していることにあります。
コロンブスは1492年にアメリカ大陸を「発見」したとされる探検家として長らく賞賛されてきましたが、最近の研究で彼の一行が新大陸の先住民族に対して虐殺やレイプ、人身売買などの非人道的な行為に及んでいたことが判明しています。
具体的には、コロンブスはスペイン王に宛てた手紙の中で、先住民を「良い奴隷」と評価し、女性を売り渡したことを明らかにしています。
さらに、金や宝石を見つけられない先住民を木の幹にくくりつけ飢え死にさせるなどの虐殺行為も加えていたとされています。
このような過去の事実が発覚したことで、コロンブスはむしろ「侵略者」や「奴隷商人」としての側面が注目されるようになり、かつてのヒーロー視は過去のものとなりました。
実際、ロサンゼルスなどの都市では「コロンブスデー」を「先住民の日」に切り替えるか、先住民に関する新たな祝日を設定しています。
こうした歴史的背景を無視した上で、MVでは黒人を類人猿のように描き、人力車を引かせるシーンが含まれていたのです。
このため、YouTubeやX(旧Twitter0などのSNSでは「歴史背景を無視している」「非常に差別的で不適切」などの批判の声が相次ぎました。
一部では「これはMrs. GREEN APPLEを聴く最後の曲になるかもしれない」といった厳しい意見も出ています。
またこの騒動を知った海外ユーザーからも「驚いた」「曲自体はよくできてるのに、と思う人は考え直した方がいい」などの反応が上がりました。
批判を受けてレコード会社のユニバーサルミュージックは、「歴史や文化的背景への理解に欠ける表現が含まれていた」として、6月13日にこのMVをYouTubeで非公開にすると発表。
公開前の確認が不十分だったことを謝罪しています。