売上高は好調な百貨店 顧客満足度が過去最低を更新
2023年に引き続き、2024年もますます存在感を増していく「インバウンド」というキーワード。
実際、私たちの生活にどのように影響しているのでしょうか。
2024年2月に実施したCS改善クラウドSEEP(シープ)によるファッション業界におけるリアル店舗での2024年度上半期顧客満足度調査の結果が、5月28日に発表されました。
ファッション業界は売上好調も顧客満足度が過去最低
本調査では第一部にて現在の市場状況が、第二部にてSEEP全国調査分析、そして第三部にて今後に向けた動きが示されています。
まず、現在の市場状況に関して全国百貨店の売上高は半年間で3,803億円(8月)から4,329億円(2月)へと成長。
特に免税総売上は317億円(8月)から約1.5倍の469億円(2月)となり、インバウンド消費が大幅に上昇していると言えます。
しかし一方で、店舗顧客満足度は過去最低を記録しました。
背景として、来客数の急激な増加により売り場ではサービスレベルの向上まで手が回らなかったことが考えられます。
その中で高得点を獲得したジャンルはやはりラグジュアリーカテゴリーです。
日本のハイレベルな接客を求めるインバウンド顧客の増加を鑑みると、ラグジュアリーブランドが提供する接客は今後一層強みになると考えられます。
最後に、日本のファッション業界はインバウンド需要の好調により世界的に有利な状況にあると結論付けました。
しかし、ブランド間の格差やコスト戦略は依然として大きな課題だと言えます。
オーバーツーリズムの問題がある一方で、日本経済を刺激しているインバウンド。
その功罪が直接私たちの生活に影響し始めているのかもしれません。