豪州、電子たばこは薬局のみに 未成年は処方箋必要 新規制施行

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 リキッドとよばれる液体を加熱し、霧化させて吸う「電子たばこ」が世界的に若者に人気だ。10代の喫煙者が増加しており、各国政府は電子たばこの規制に乗り出している。なかでも、オーストラリアは購入に処方箋の提示を義務付けるなどして、世界で先駆けて厳格な規制を敷いた。

◆薬局以外で電子たばこ販売禁止
 オーストラリアは、電子たばこを規制するため、薬局以外での販売を禁止した。7月1日からは購入の際、薬剤師に医師の処方箋を提示する必要がある。

 購入できるのはミント、メンソール、たばこの3種のフレーバーに制限され、若者に人気の「バブルガム」のようなフレーバーは購入できなくなる。

 さらに、現地での製造、供給、宣伝が事実上禁止され、無地のパッケージでのみ販売可能になる。ニコチン濃度も制限される。

 ニコチンを含まない電子たばこにも適用される。

 購入にあたって、健康への害や禁煙の選択肢について薬剤師から説明を受けると同時に、18歳以上であることを証明する身分証明書を提示する必要がある。ただし、10月には規制が緩和され、18歳未満の未成年者だけに処方箋が必要になる。

 規制緩和後、成人は薬局で処方箋なしで購入できるようになるが、CNN(7/1)によると、一部の大手薬局チェーンが電子たばこの在庫を抱えないと宣言したため、電子たばこを入手するのは難しくなるかもしれない。

◆違法販売店に罰金最高2億円
 オーストラリア政府によると、使い捨て電子たばこを禁止している国は数十ヶ国あるが、店舗やサービスステーションなどの小規模小売店での電子たばこ販売を禁止したことで、オーストラリアは世界に先駆けて、厳しい規制法を導入した国になるという(CNN)。

 新法は、電子たばこを本来の目的である禁煙を助ける治療法としての位置づけに戻すことが狙いにある。

 マーク・バトラー保健相は、電子たばこを販売しているコンビニエンスストアやたばこ店が摘発された場合、最高200万オーストラリアドル(約2.2億円)の罰金を、経営者には最高7年の懲役を科すと警告した(インデペンデント紙、7/2)。

 個人使用目的で電子たばこを所持することは犯罪行為ではないが、商業目的で大量に輸入・販売すると多額の罰金が科せられる。

 全国5900以上の地域薬局を代表するオーストラリア薬局組合のアンソニー・タッソン副会長は、「薬剤師はヘルスケアのプロであり、地域薬局はこの有害で中毒性の高い可能性のある製品を処方箋なしで供給したくないのです」と語る(CNN)。

 政府は、今後3年かけてこの新法の有効性を見極めるとしている。

◆世界的に10代に蔓延
 オーストラリアの18歳から24歳の約5人に1人が、少なくとも一度は電子たばこを使用したと回答していることが、昨年の調査で明らかになっている。

 他国でも若者の電子たばこ喫煙率の増加が問題になっており、さまざまな対策が取られている。AP通信(7/3)によると、アメリカでは中高校生による電子たばこ喫煙率が近年減少しているが、それでも喫煙者数は約2800万人に上る。コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどでフレーバー味の電子たばこが違法販売されているという。

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は6月、メンソールフレーバーの電子たばこの成人への販売を初めて承認し、小児科学会や反タバコ団体から厳しい批判を浴びた。

 イギリスでも子供の電子たばこ喫煙率が過去3年間に増加しており、特に11歳から15歳までの喫煙率は9%に達している。政府は子供の電子たばこ喫煙率を減少させるため、電子たばこのフレーバー、パッケージおよび店頭での陳列方法を制限する法律を導入し、来年施行する。

Text by 中沢弘子