保守強硬派ジョーダン氏苦戦で注目される「意外な議員」とは? 米下院議長選
◆1月6日関与と性的虐待黙認の疑い
トランプ氏支持派のジョーダン議員は2020年1月6日の議会襲撃事件計画にも関わった疑いが持たれる人物だ。実際、民主党議員を中心に結成された1月6日調査委員会から証言を行うよう召喚を受けたが、それを拒否している。
しかしジョーダン氏のスキャンダルはそれだけではない。同氏は下院議員就任以前にオハイオ州立大学でレスリング部のアシスタントコーチを務めていたが、そこで1980~1990年代に起こったチーム専属医師による部員の性的虐待を黙認していた疑惑がある。NBCニュースによると、当時の部員は「あなた方は本当に部員を守れなかった人をその役職に就けたいのですか? それがあなた方が下院議長に求める特徴ですか?」と疑問を呈している。
◆民主・共和両党が推す意外な人物とは
ジョーダン議員は、217票に達するまで投票を続けようと票集めに奔走しているようだ。しかしCNNによると、同氏に投票しなかった共和党議員や配偶者に脅迫電話やメッセージが届いているという。記事によると、ジョーダン氏はそれらの脅迫を糾弾したが、反対派議員はより一層かたくなにジョーダン氏の下院議長就任を阻止する姿勢を強めている。
しかし、いつまでも下院議長なしでは政府が機能しないため、ジョーダン氏以外の人物を議長にしようとする動きが両党から出ている。CNBCによると、ジョーダン氏の議長就任阻止を狙う共和党議員の一部は、議長選出までの仮議長を務めている共和党穏健派のパトリック・マクヘンリー下院議員を推している。また記事によると、民主党トップのハキ―ム・ジェフリーズ下院院内総務もマクヘンリー氏の議長就任に前向きな姿勢を示しているという。
ジョーダン氏はまだ投票を続ける気だが、今の時点では同氏が217票に達する見込みはなさそうだ。実際、ジョーダン氏は17日の投票で200票、18日の投票では1票減の199票を得ており、当選に必要な217票から遠ざかった。この膠着状態がしばらく続けば、民主・共和両党から十分な支持を得られるマクヘンリー下院議長が誕生する日も遠くはないだろう。
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