保守強硬派ジョーダン氏苦戦で注目される「意外な議員」とは? 米下院議長選
アメリカ議会では現在、下院議長不在という異常な状態が2週間以上続いている。下院議長がいなければ法案の審議や投票などもできず、イスラエルやウクライナへの支援や予算問題も膠着(こうちゃく)状態に陥ったままだ。
下院で過半数を占める共和党は連日のように議長選出投票を試みているが、現在の共和党候補であるジム・ジョーダン下院議員は共和党の穏健派議員から猛反発を受け、民主党からも1票も得られず苦戦している。
◆下院議長罷免でトランプ支持議員が立候補
この「下院議長不在状態」の発端は、ケビン・マッカーシー前下院議長が政府閉鎖を防ぐため閉鎖前夜に民主党と合意し、45日間のつなぎ予算を成立させたことにある。トランプ氏はバイデン氏への攻撃材料とするため政府閉鎖を望んでいたというが、ギリギリのところでマッカーシー前議長がそれを回避することを選んだ。しかしそれに怒った強硬派のマット・ゲーツ下院議員がマッカーシー氏罷免決議案を提出したところ、強硬派議員8人と民主党議員208人が賛成票を投じ、同国の歴史上初の下院議長罷免が決定した。
下院では現在共和党が221議席、民主党が212議席を占めており、空席が2議席ある。下院議長就任のためには現在の433人の議員数の過半数となる217票を得なければならず、共和党内で5人が反対すれば落選する計算だ。次期議長に立候補したスティーブ・スカリース議員は1回目の共和党内投票でジム・ジョーダン議員に勝ったが、党内で十分な支持票を得られず断念。そこで再び立候補したのがジョーダン氏である。
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