トランプ氏は憲法規定でもう大統領になれない? 修正第14条めぐり論争
◆ニューメキシコ州では公職者を追放
合衆国憲法修正第14条3項(アメリカンセンター訳)には、「連邦議会の議員、合衆国の公務員、州議会の議員、または州の執行部もしくは司法部の官職にある者として、合衆国憲法を支持する旨の宣誓をしながら、その後合衆国に対する暴動または反乱に加わり、または合衆国の敵に援助もしくは便宜を与えた者は、連邦議会の上院および下院の議員、大統領および副大統領の選挙人、文官、武官を問わず合衆国または各州の官職に就くことはできない。但し、連邦議会は、各々の院の3分の2の投票によって、かかる資格障害を除去することができる」と記載されている。しかしこの資格はく奪がどのように実行されるかについては不明確である。
一方、州内で行われるすべての選挙を統括する各州の州務長官からもトランプ氏の出馬資格を疑問視する声が上がっている。ABCニュースによると、ミシガン州のアシュリー・ベンソン州務長官は「ペンシルバニア州、ジョージア州、ネバダ州、ニューハンプシャー州、メイン州の州務長官と、1年以上前からトランプ氏の大統領選出馬に対する法的挑戦への準備について会話を始めていた」と話している。ミシガン州ではすでにトランプ氏の出馬資格はく奪を求める裁判が起こっている。
またNBCニュースによると、コロラド州でも9月に有権者6人が同じく合衆国憲法に違反しているとして、2024年の大統領選において投票用紙からトランプ氏の名前を削除することを要求して提訴。また前出のABCニュース記事によると、今後はニューハンプシャー州でも前トランプ支持者が同様の提訴を予定しており、今後もほかの多くの州で同様の裁判が起こされる可能性が高い。
CBSニュースによると、実際にニューメキシコ州では昨年、裁判で合衆国憲法修正第14条3項が適用され、1月6日の議会襲撃に参加し、逮捕された人物が官職から追放されるケースがあった。もしこのケースが判例として使われる場合、トランプ氏の場合も今後首都ワシントンで行われる1月6日事件関与の裁判で有罪判決が下りて同氏の関与が法的に明確化されれば、大統領選出馬資格がはく奪される可能性がなきにしもあらずだろう。
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