富裕層増税を目指すバイデン政権 世界で最も税率が高い国は?

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◆世界の税率比較
 税制はアメリカでは州によって異なるが、概してアメリカの税率は他国に比べて低い。ワールド・ポピュレーション・レビューの2021年の調査結果によると、対象の150ヶ国中、個人の所得税率が最も高いのはコートジボワールの60%、続いてフィンランドの56.95%、日本の55.97%と続く。法人税率に関してはプエルトリコが37.5%と最も高く、スリナム、チャドと続く。チャド以外に、赤道ギニア、ギニア、スーダン、ザンビアとアフリカの5ヶ国が、法人税率が高い国のランキングのトップ10に含まれている。消費税(売上税)に関しては、ブータンが50%と最も高く、続くハンガリーの27%との大きな開きがある。ちなみにアメリカは州によって消費税は異なるが、最も高いのがカリフォルニア州の7.25%で、デラウェア州には消費税はない。

 外国人投資家にとっては、極めて低い税率が設定されているいわゆるタックス・ヘイブンと呼ばれる国が魅力的だ。その代表格は、ルクセンブルク、ケイマン諸島、モーリシャス、モナコ、スイスなど、小国や島国が中心となっている。バイデン政権の予算教書は今後、共和党が過半数を占める上院議会で議論されるため、必ずしも富裕層への増税案が採択されるという見込みはない。しかしながら、富裕層に対する増税の議論が進むことによって、アメリカの富裕層がますますタックス・ヘイブンや税制の抜け穴に依存するということも懸念される。

Text by MAKI NAKATA