新時代のリーダー像示したアーダーンNZ首相 一貫したスタイルと決断力

Mark Mitchell / New Zealand Herald via AP

 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)が次期選挙を前に首相の座を辞任した。おおむね評価されたその決断の背景とは。

◆アーダーンの辞任表明
 アーダーンは1月19日、首相の座および労働党党首の座を辞任することを発表した。首相という職務につくことは特権であるとともに責任が伴うものであり、自分が適任か否かを判断することも責務であるとしたうえで、自分には首相という職務を全うする余力がないと説明した。一方、労働党は次期選挙で勝利できる見込みで、選挙に勝つことができないというのが退任の理由ではないことも付け加えた。

 また、アーダーンは過去5年間における自分の実績に関しては、特に子供の貧困率の改善、社会福祉と公共住宅数の大幅な増加について言及した。また自らのレガシーに関しては、優しさと強さ、エンパシーと決断力、楽観的な見方と集中といったさまざまな異なる要素を持ち合わせることは可能だということを、ニュージーランド国民に残したいという思いを伝えるとともに、自分は引き際がわかっている稀なリーダーだということを強調した。

 新たな首相の座にはクリス・ヒプキンが就任。ヒプキンはアーダーンと同年代の44歳で、アーダーンのことを良き友人であると述べた。同国の次期総選挙は10月14日に行われる予定だ。

Text by MAKI NAKATA