トランプ氏、出馬宣言を急いで墓穴? 急いだ理由と、その行く末は
「レッドウェーブ」が予測されていたアメリカ中間選挙は、僅差で下院過半数議席を得た以外、共和党にとって大きな期待外れに終わった。民主党は上院で多数派を維持したことに加え、州知事選やミシガン州やペンシルバニア州など重要州の州議会選挙でも善戦し、歴史的に政権与党が大敗してきたアメリカ中間選挙としては比較的良い成果を得たと言えるだろう。しかもドナルド・トランプ前大統領が支持したMAGA候補者たちはことごとく惨敗し、共和党内では中間選挙の失敗を同氏の責任とする声も挙がっていた。
しかし選挙後の15日、トランプ氏がフロリダ州マーアーラゴの自宅で2024年大統領選の出馬表明を行った。しかし共和党員の出席は予備選で落選した党員1人で、党内でトランプ氏の影響力が弱くなっていることを示す結果となった。しかしそれでもトランプ氏が出馬宣言を急いだのには彼なりの理由があるようだ。
◆早急な出馬宣言は訴追逃れのため?
実は、中間選挙結果が芳しくなかったにもかかわらずトランプ氏が出馬表明を急いだ理由は、司法省などによる訴追から逃れる口実作りではないかと囁かれている。トランプ氏は中間選挙で、自身が支持したMAGA候補者たちを含め、共和党が大勝することを予測していたのだろう。トランプ支持派のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員などが常々公言していたように、共和党は中間選挙で大勝したらバイデン大統領やガーランド司法長官を弾劾する計画を立てており、そうなれば訴追を逃れられると踏んだのかもしれない。しかし民主党が上院多数派を維持したことで、その当ては外れてしまった。
CNNのニュースキャスター、ジム・アコスタ氏のツイートによると、トランプ氏は選挙後に「激怒して皆に怒鳴り散らしていた」という。アコスタ氏はまたトランプ氏のアドバイザーが、同氏は「出馬表明を遅らせるのは恥ずかしすぎるから、それはないだろう」と話したと投稿している。
また情報サイト『サロン』によると、トランプ氏はMAGA候補者たちの惨敗について「私が責められるべきではまったくない」と発言。同サイトによると、トランプ氏は2024年大統領選出馬が見込まれているライバルのフロリダ州知事ロン・デサンティス氏が支持したコロラド州上院選候補者のジョー・オデア氏が落選したことについて、ソーシャルメディアに「ジョー・オデアは大敗した!アメリカを再び偉大に!!!」など、落選を祝うような投稿まで行い競争心をむき出しにしている。アメリカでは現職大統領は訴追しないという不文律があることから、トランプ氏は訴追の手が四方から迫る今、何としても大統領に再選されなければならないと思っているのかもしれない。
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