海外が報じる、自民党と統一教会の関係 安倍氏暗殺事件から思わぬ展開へ
安倍元首相を銃撃し死亡させた犯人が、宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」への恨みが犯行の動機だったと供述した。入信した母親が多額の献金をし、家庭崩壊につながったことで、同団体と近しい関係にあると思った安倍氏を狙ったと報じられている。統一教会は物議を醸しつつも世界に影響力を広げてきた。日本の政治、とくに保守政治家との関係に海外メディアが目を向けている。
◆献金以外にも莫大な利益 日本はドル箱
統一教会は、救世主を自称する文鮮明氏(2012年に死去)が1954年に韓国で設立した。反共産主義を背景に世俗的なライフスタイルよりも多文化的な家族の創造に力を入れ、保守的な価値観を支持し、数千組のカップルの合同結婚式を執り行うことでも注目を集めた。文氏は1970年代に渡米して首都ワシントンでも活躍し、共和党のニクソン、レーガンといった大統領の支援をし、ワシントン・タイムズ紙を創刊した(NBC)。世界194ヶ国に1000万人の信者がいると発表されているが、この数字は大幅に誇張されているという批評家もいる(サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙、以下SCMP)。
日本での布教が始まったのは1956年で、現在国内には韓国の2倍の60万人の信者がいるという。教会は迷える魂を天国に導くと称してさまざまな商品を売り、日本で年間数百万ドルの利益を上げている。日本での布教活動の成功は、死んだ祖先の冥福と子孫の幸せを祈ることに集中する日本の文化的・宗教的伝統によるところが大きいと日本聖公会(イングランド国教会の系統に属するキリスト教の教派)のターク・ジ-ウーン牧師は説明し、宗教と商業主義が混在する教会にとっては肥沃な土壌だとしている(SCMP)。ワシントン・ポスト紙(WP)によれば、教会の富の70%は日本から提供されていたという歴史家の研究もあるという。
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