プーチン退陣の可能性とその後のシナリオ 識者が予想
アメリカのバイデン大統領がロシアの政権交代を望むような発言をして物議を醸したが、実は専門家の間でもプーチン退陣のシナリオが議論されている。プーチン氏個人の価値観を反映した独裁政治に終わりはあるのか、またポスト・プーチン時代のロシアはどのような形になるのかが注目される。
◆自主的委譲なら後継3タイプ 集団指導体制復活も?
四半世紀にわたりロシアのオリガルヒ(新興財閥)を研究してきたボルチモア大学のデビッド・リンゲルバッハ准教授は、政治紙ヒルの寄稿文で、プーチン氏の失脚はすぐには起こりそうにないと述べる。しかしプーチン氏が権力を委譲するとなれば、自主的かつ非暴力的なものになるとし、後継者は差し障りのないプーチン氏の「代理」、権力を持つオリガルヒによる「プーチン2.0」、プーチン政治を変える「改革者」という3タイプの中から選ばれると予測している。
もっとも、「代理」タイプはその名の通り最も短命に終わる可能性が高く、「プーチン2.0」もプーチン氏が去ればそのシステムの存続はできそうにないとする。さらに安定重視で変化を嫌うロシア人には「改革者」は好まれない。その他のオプションとしては、ソ連時代にあった集団指導体制への回帰というのも考えられ、可能性は低いものの、革命や無秩序状態に向かうかもしれないとしている。
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