資産隠し発覚もケニア大統領はノーダメージ? パンドラ文書とアフリカ
先日、リリースされた大量リーク書類のパンドラ文書(Pandora Papers)では、さまざまな国のリーダーたちによる税の回避やマネーロンダリングが明らかになった。アフリカではとくにケニヤッタ大統領家族の財政状況のリークが注目されている。その実態とは。
◆大量のリーク文書
パンドラ文書は、1200万件近くのリーク書類。10月3日、国際調査報道ジャーナリスト連合(International Consortium of Investigative Journalists:ICIJ)によってその内容が公表された。177ヶ国の600人以上のジャーナリストが流出書類の調査に当たった。その規模は、14の情報源、約1190万件のファイル数、2.94テラバイトのデータ量で、2016年のパナマ文書を上回る。内容は資金力や権力を持つ者が、どのように資産を隠し、税を回避し、マネーロンダリングに関与していたことを示すものだ。90以上の国と地域における、300以上の政治家や公務員が保有する隠しオフショア会社の存在が明かされた。ICIJによると、35の現旧首脳の関与が明らかになったという。
ICIJのウェブサイトでは、ラテンアメリカ・カリビアンの15件、欧州の14件、中東の13件、アフリカの9件、アジアの7件と、地域別の主要人物が紹介されている。北米の重要人物は今回のリークから免れたようだ。アフリカに関しては、全体では、18ヶ国、50近くの政治家や公務員のオフショア会社の存在が明らかになった。サイトで紹介されている9名のうち、5名が現旧首脳。現職の首脳としては、ガボンのアリ・ボンゴ(Ali Bongo)大統領、ケニアのウフル・ケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)大統領、コンゴのドニ・サスヌゲソ(Denis Sassou-Nguesso)大統領、コートジボワールのパトリック・アチ(Patrick Achi)首相が含まれている。
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