一党独裁の繁栄はこのまま続くのか? 中国共産党100周年
中国共産党は、今年7月に結党100周年を迎える。1949年に中華人民共和国の建国を宣言し、さまざまなピンチを乗り越えて貧しかった国を世界第2位の経済大国にまで導いた。しかし一党独裁体制を維持するために、習近平国家主席は反対意見を封じ込め、国民の監視を強化し、民間企業をさらなる管理下に置こうとしている。民主主義陣営の予想を超える独裁国家中国の発展は、このまま続くのだろうか。
◆数々の危機を乗り越えた 最も成功した権威主義
ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)に寄稿したコロンビア大学のアンドリュー・ネイサン氏は、中華人民共和国建国初期には、ほとんどの中国人が共産党の支配を熱烈に歓迎していたとする。もっともマルクス主義や毛沢東主義を理解している人はほとんどおらず、支持されたのは平和と復興への約束だった。
偉大な指導者だったはずの毛沢東は、朝鮮戦争、大躍進政策、文化大革命で多くの国民の命と経済を犠牲にした。毛沢東の死後、1978年に文革で失脚していた鄧小平が復活し、改革開放路線に舵を切った。経済は大きく成長し、党の人気も一時的に回復したが、改革はインフレと汚職の増加を招き、西洋への開放で中国人は西側の政治的価値観を知ることになった。
しかし1989年に天安門事件が発生。これにより党内の保守派の力が強まり独裁指導体制が再強化された。以後、力強い経済成長と同時にイデオロギーの緩みや党への冷笑的な意見が強まっていたところに、習近平氏が登場。党の特権や権力を大幅に強化しつつも、中国を経済大国へと導いた。歴史上最も成功した権威主義国家になったと、米シンクタンクの大西洋評議会のフレデリック・ケンプCEOはCNBCへの寄稿記事のなかで率直に認めている。
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