トランプ政権、郵便投票阻止のため郵便事業を妨害? 各地で提訴

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◆2度目の弾劾裁判に発展する可能性も
 トランプ大統領とデジョイ郵政長官の怪しげな言動に、多くの民主党議員が2人に対する抗議の声を上げている。ハワイ州選出のブライアン・シャッツ上院議員はツイッターで、「トランプの郵便公社妨害は、非常に弾劾裁判に値していたウクライナの件よりも、さらに弾劾裁判に値する」と発言。またナンシー・ペロシ下院議長はツイッターで、「トランプ大統領と彼の大口献金者であるデジョイ郵政長官の郵便サービスへの攻撃は命や仕事、アメリカの民主主義を危険にさらしている」と述べ、郵便公社救済案の投票を行うため下院議会を緊急招集。下院は法案を賛成多数で可決した。

 デジョイ長官は21日に上院、24日に下院の公聴会に召喚され、同長官が行う郵便公社の「事業改革」について質問を受けた。トランプ氏は、共和党大会直前にデジョイ長官が上院に召喚されるというタイミングに怒り、ツイッターで「共和党はなぜ、ばかばかしい郵便公社の公聴会を土曜日と日曜日、共和党大会の前と最中に開くことを許しているんだ」「いつも彼ら(民主党)の手に引っかかる」とミッチ・マコネル上院院内総務を攻撃した。

 郵便公社の業務妨害、そして選挙妨害とも思われる行為が堂々と行われていることに、トランプ大統領の言動に驚かなくなってきたアメリカ人も、今回ばかりはさすがに危機感を覚えているようだ。『ポリティコ』によると、トランプ大統領とデジョイ長官は現在、郵便局の機能を麻痺させ郵便投票を阻止しようとしているとして、ニューヨーク、ペンシルバニア、テキサス、インディアナ各州で有権者に提訴された。またCNNによると、民主党知事が率いる全米20州の司法長官も、トランプ大統領自身の発言を証拠として、トランプ政権と郵便公社を提訴することを表明している。今後この状況がエスカレートするようなら、再びトランプ大統領の弾劾裁判に発展する可能性も十分に考えられるだろう。

Text by 川島 実佳