階級ではなく年齢、英総選挙の結果をわけたもの 高齢者が導いた保守党勝利
12日に行われたイギリスの総選挙は、保守党が議会下院の過半数の議席を獲得し圧勝した。今回の選挙では65歳以上の有権者の6割以上が保守党に投票したとみられ、これによりリベラル寄りの政党に投票した若者の票が生かされない形で終わった。有権者をわけたのは、従来の階級ではなく年齢だったと分析されている。
◆老人に支えられた保守党 選挙制度も追い風に
ガーディアン紙は、保守党勝利において大役を果たしたのは高齢化するベビーブーマー世代だとする。調査会社YouGovによれば、労働党に投票した65歳以上の有権者は2017年の24%からさらに低下して20%以下となった。対照的に、保守党に投票した65歳以上は60%以上だった。
アルジャジーラに寄稿したロイヤル・ホロウェイ大学の助教授、ジェームス・スローム氏は、今回の選挙は若い世代を大きく落胆させたと述べる。アシュクロフト世論調査の投票日当日の調査によれば、18歳~24歳の4分の3以上、25歳~34歳では7割以上が、労働党を含む左寄りのリベラル政党を支持していた。しかし、数の力で65歳以上に負けてしまったという。
現在イギリスには65歳以上の市民が1200万人以上いるが、18歳~24歳は600万人以下だ。今回の選挙では、65歳以上の有権者の8割が投票に行ったが、18歳~30歳では55%にとどまった。イギリスの単純小選挙区制のせいもあり、年配層から強い支持が集中した保守党が過半数を獲得。若者から支持された労働党、自由民主党、緑の党などは票が分散したため、議席を増やすことができなかった(アルジャジーラ)。
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