再燃するフェイスブック政治広告問題 虚偽広告を許可、トランプ氏との会談後に

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 2016年の米大統領選では、フェイスブックにロシアや極右派などによる虚偽投稿や広告が蔓延し、選挙結果に大きな影響を与えたと言われている。選挙後、同社では虚偽広告の掲載を禁止したものの、フェイスブックの広報・国際戦略担当のニック・クレッグ副社長(元英副首相)は同社ウェブサイトのニュースルームページで9月24日、「我々が政治的討論を審判して、政治家のスピーチが観衆に届けられることを阻むのは適切ではない」と述べ、「そのため、政治家を第三者による事実確認プログラムから免除する」と公表した。

 つまり、2016年の米大統領選で大問題となった虚偽の政治広告がまたフェイスブック上に蔓延することを同社は事実上黙認したということになる。

◆バイデン前副大統領に関する虚偽広告削除を拒否
 同社の新しいポリシーに関し、まず問題として挙がったのが民主党大統領選予備選でリードしているジョセフ・バイデン前副大統領に関するトランプ陣営の政治広告だった。

 米情報サイト『VOX』によると、トランプ陣営はバイデン氏がウクライナに対し、同氏の息子ハンター・バイデン氏と関係がある同国企業の捜査をしている検察官の解任を条件に賄賂を約束した……という30秒間の虚偽ビデオ広告を投稿。バイデン陣営はフェイスブックにこのビデオを削除するよう抗議したが、フェイスブックはバイデン氏の要請を拒絶した。

 ちなみに、ウクライナ問題ではトランプ大統領自身が、同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、軍事援助費をたてにバイデン氏とハンター氏について捜査するよう圧力をかけた事実から、現在米下院による弾劾尋問に直面している。

Text by 川島 実佳