「オバマケア」の恩恵を受ける州、受けない州は? 恩恵に格差

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◆持病がある人が多い州、少ない州
 統計の結果、共和党支持州にオバマケアの恩恵を受けていない州、すなわちメディケイド・エクスパンションを導入していない州が多いことが判明した。では、そのなかでウエストバージニア州とケンタッキー州は共和党支持州なのになぜこれを導入しているのだろうか?

『WalletHub』の同じ統計によると、65歳以上で最も「プレエキジスティング・コンディション」、すなわち保険加入前にすでに病気にかかった経験のある州民の割合が多い州がウエストバージニア州とケンタッキー州なのである。持病があるということは健康保険が欠かせないため、この2州はどちらもメディケイド・エクスパンションを積極的に導入したようだ。

 ちなみに、持病がある人の割合が最も少ないのが「最も健康な州」でほぼいつも1位のハワイ州である。ハワイ州は健康な人が多いためか、メディケイド・エクスパンションを導入しているにもかかわらず、オバマケアから受ける恩恵は33位に留まっている。

 2020年の米大統領選で民主党候補が当選すれば、今後アメリカの健康保険制度が大きく変化する可能性も十分ある。そうなった場合、メディケアやメディケイドなどの公的保険がどこまで拡大されるかに注目したいところだ。

Text by 川島 実佳