次期英首相を選ぶ16万人の「保守党員」とは? 「犠牲を払ってもEU離脱……」
EU離脱の行き詰まりからイギリスのテリーザ・メイ首相は5月に辞任を発表した。後任を決める保守党党首選では、前ロンドン市長で外相を務めた経験もあるボリス・ジョンソン氏と、ジェレミー・ハント現外相の一騎打ちとなることが決まった。実質的な次期首相選だが、党員投票が勝敗を決めることになっており、イギリス全体の民意は反映されない形だ。
◆党員減少による苦肉の策 人気取り党員投票
通常イギリスのリーダーは総選挙で決まり、最多数の議員を持つ党の党首が総理大臣となる。保守党党首は下院議員が選んできたが、1998年から党員投票を導入した。導入された理由は、党員数の減少を防ぐためだった。1950年代には300万人近くいた党員は、2018年には12万4000人まで減少した。労働党のほうも、100万人から51万2000人まで減っており、大政党の党員数は減っている。
今回は、二人に絞られた候補から党員投票で党首が選出され、ルール改正以来初の、事実上保守党員が直接首相を決める投票となる。年25ポンド(約3500円)を払えば保守党員になれるため、今回の党員選挙を前に党員数は16万人まで増加した。
- 1
- 2