ついに開示? トランプ氏の納税情報 攻防ヒートアップ、追い詰められる大統領

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 2016年の米大統領選から議論の的となっていたトランプ大統領の過去の納税申告書に、今また注目が集まっている。何が何でも同大統領の納税申告書を入手して、そこにどんな秘密が隠されているのか探ろうとする民主党と、それを阻止しようとするトランプ大統領側で熾烈な戦いが繰り広げられている。

 歴代の米大統領選に出馬した候補者は、自発的に過去の納税申告書を公開するのがこれまでの慣わしだった。しかし、トランプ氏は自分の納税申告書が内国歳入庁(IRS)の「監査を受けている」として公開を拒否。その後「当選したら喜んで公開する」という発言をしたものの、当選後はこれを完全になかったことのように振舞っていた。

◆歳入委員会の要求を財務長官が拒否、違法の可能性も
 ついに痺れを切らしたのか、CBSニュースの報道(4月6日付)によると、米下院歳入委員会委員長のリチャード・ニール下院議員(マサチューセッツ州)が内国歳入庁に対し、トランプ大統領の過去6年間(2013年~2018年)の納税申告書を提出するよう要請。記事によると、下院歳入委員会の委員長は1924年に制定された同国の税法により、大統領を含む誰のものであれ納税申告書提出を要請し、閲覧することが可能であるという(一般公開は不可)。

 しかし、5月6日付のブルームバーグの記事によると、この要請に対しスティーブン・ムニューシン財務長官は同日、トランプ大統領の納税申告書公表は不可能であると書面で正式に拒絶し、その理由として「下院による要請には正当な立法上における目的が欠けている」と述べた。

 ムニューシン財務長官はまた、同長官の決断が正しいことについて司法省が「可能な限り早く」法的な“意見”を公表すると述べた。しかしその“意見”は5月末現在、いまだに公表されていない。前述の税法によると、米財務省は歳入委員会委員長の要請を拒否することは違法であり、今後ニール氏を含む民主党がムニューシン財務長官を訴える可能性も高い。

Text by 川島 実佳