「そもそも悪いのはキャメロン」 EU離脱めぐり大混乱、怒りの矛先は前首相へ

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◆BBCがコメントをゲット 無責任さに批判続々
 EU離脱協定案が否決された後、BBCは朝のランニングに向かう前のキャメロン氏へのインタビューに成功している。国民投票を実施したことを後悔しているかという質問に対し、後悔はないと答えたが、投票で負けたことは悔いており、投票結果を実現するために起きている今の混乱も残念に思うと述べた。ただ、自分が解説や批評することで助けになるとは思わないと答えたという。

 このコメントに対し、ガーディアン紙のコラムニスト、ゾーイ・ウィリアムズ氏は怒りを見せる。人はだれでも間違いは犯すものだが、自責の念や良心の呵責を示さないキャメロン氏の態度では、理解は得られないと断じる。コラムには、砂浜を歩くキャメロン氏の写真が添えられており、「デイブにとって人生はビーチだ」というキャプションが強烈な皮肉となっている。

 ワシントン・ポスト紙(WP)は、最近の世論調査で、58%のイギリス人がキャメロン氏に否定的な見方を持っていると伝え、自らの非を認めないことがネットで批判されているとしている。SNSでは、かなり攻撃の的となっているそうだ。

 ネット上にはまた、散らかったブレグジットには後片付けが必要ということで、欧米で大人気の片づけ専門家、近藤麻理恵さんにひっかけた「メイ首相、離脱交渉にときめかないなら、優しくたたんで捨てて」というツイートもあったということだ(WP)。キャメロン氏がもたらしたイギリスの混乱は、だれもときめかないまま、まだまだ続いていきそうだ。

Text by 山川 真智子