アメリカの若者が選挙に行かない理由 日本とは異なるシステム上の問題も

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 米中間選挙を前に、ニューヨーク・マガジンが掲載したあるインタビュー記事が波紋を呼んでいる。登場するのは、選挙では多分投票しないと答えた21~29歳の12人の若者たちだ。アメリカでは18歳から選挙権があるが、年齢が低いほど投票率は低くなっているという。本音を語る若者たちに、アメリカの未来を憂う声が聞かれる。

◆投票券の来ないアメリカ 選挙登録は自分で
 CNNによれば、アメリカでの投票率は、大統領選のある年は高くなる傾向があるが、中間選挙では60%以上が投票しないという。選挙に関心がない、投票ルールが複雑、多忙が、有権者が投票しない3大理由に上げられている。

 ニューヨーク・マガジンによれば、18~29歳では選挙に行く者はさらに減り、全体の3分の1ほどだという。同誌のインタビューに答えた若者たちの投票しない理由も、CNNのものとほぼ一致する。

 まず投票ルールだが、選挙前に自宅に投票券が届く日本とは違い、アメリカのほとんどの州では事前登録が必要だ。登録しても、写真付き身分証明書がなくては投票できないことが多い。

 若者たちからは、「選挙登録だけでも長ったらしく、登録の状況がどうなっているのかのお知らせもない」「オンライン登録もあるが、免許証がなくてはできない」「不在者投票には用紙を印刷し、投票日の30日以上前に郵送しなくてはいけない」など、制度への不満が上がった。さらに、そもそも世代的にプリンターで印刷することがない、郵便局に縁がなく切手さえ使わない、「消印」の意味もわからない人もいるという声もあった。また、すべての情報はネットで手に入れるので、投票の仕方もソーシャルメディアで教えてくれれば楽なのにという意見もあった。

Text by 山川 真智子