カナダに続くか、大麻合法化の可能性のある6ヶ国

Chris Young / The Canadian Press via AP

◆オランダ
 大麻使用者が中毒性のより高いハードドラッグの売人と接触することを防ぐ目的で、オランダでは1970年代後半に、大麻を販売する「コーヒーショップ」が解禁された。ショップはいまなお、特にアムステルダムにおいて人気を集めているものの、薬物は国内のいたるところで非合法のままである。栽培が法的に禁止されているため、調達業者は闇市場に頼らざるを得ないと、長い間不満を訴えてきた。このシステムは犯罪組織や資金洗浄を助長するものであると、批評家たちは指摘する。

 状況は変わる可能性もある。オランダ新政権は、6~10都市において製造者に大麻を供給するためのライセンスを供与するという実験的なプログラムに取り組むと公言した。

◆南アフリカ共和国
 南アフリカ共和国の最高裁判所は先月、こっそり隠れて、成人が大麻を使用すること、個人使用のために栽培することは可能であると、判決を出した。

 依然として保守的な国ではあるものの、判決は、カナダでの動きと相まって「合法化が南アフリカにおいてどのように進められるのか、真剣な議論を呼ぶきっかけとなった」と、トランスフォームのロールス氏は述べた。

◆イタリア
 これまで何年にもわたり、改革推進派によってイタリアでの大麻の合法化が推し進められてきたが、成功には至っていない。しかし2016年後半、ヘンプ(大麻繊維)の製造を合法とする法律が発効された。大麻の中でもTHC(陶酔成分)の含有量が極めて少ないもので、あらゆる産業目的で使用されるものである。

 大麻に関する規制法案はイタリア議会を通して進められており、より多くの議員からの支援が依然として必要である。イタリアが「予想外にも、ヨーロッパで最初に合法化に踏み切る」可能性もあると、ロールス氏は述べる。

◆アメリカ合衆国
 北の隣国では合法化が決まり、南の隣国は思案中であるという。世界最大の影響力を保持する薬物戦争の当事者は、後れを取っていられるのだろうか。

「カナダで合法化されたことで、アメリカ国内での合法化に向けて一石が投じられるようなことはないと考えます。特に現政権下においては」とニューヨークに本部を置く「ドラッグ・ポリシー・アライアンス」で、大麻に関する国際的な政策を調査しているハンナ・ヘッツァー氏は述べる。

 トランプ大統領が、連邦政府による禁止条項を緩和するため議会に尽力したいと発言している上に、ジェフ・セッションズ司法長官は大麻に批判的であり、合法化反対派である。

 数十年もの間、アメリカは他国に対し薬物戦争への協力を要請し、さもなければ対外支援を失う可能性があるとしてきた。同時に、ラテンアメリカ諸国では、コカインや大麻、他の薬物への欲求に歯止めのかからないアメリカを糾弾する騒乱により破綻した国もある。現在、30を超える州では、医療目的での大麻使用が容認されており、9の州では成人による娯楽目的での使用が認められている。更に、ノースダコタとミシガンの両州では、娯楽目的での使用について来月住民投票が実施される。

 カナダの合法化により、連邦議会に対し法案制定を求める支持者はアメリカ国内に残された。大麻が合法である州の1つ、オレゴン州を代表する民主党員であるロン・ウィデン上院議員は禁制を「資源を浪費し生命を破壊する失敗政策」と称した。

「北の隣国が法の下で大麻市場を開いた今、我々が後れを取れば取るほど、オレゴン州と全米中の他の州にとって、将来の可能性を秘める重要なビジネスチャンスを取り損なうことになる」と、ウィディン議員は文書による声明で述べた。

By GENE JOHNSON, Associated Press
Translated by Mana Ishizuki

Text by AP