日本のダブルスタンダードも一因? 日本の中韓への謝罪が認められない理由

靖国神社

 韓国や中国との歴史論争は、日本が過去の侵略について謝罪しないことが前提となっている。

 実際には日本政府は元慰安婦への賠償を申し出ているし、1993年には当時の河野洋平官房長官が慰安婦問題の軍当局の関与を認め、謝罪(河野談話)。1995年には村山富市元首相が過去の植民地支配と侵略について謝罪している(村山談話)。

【日本を中韓が認めない理由】
 世界的にみて、日本の謝罪はかなりのものだとウェブ誌ザ・ディプロマットは報じた。

 同誌は日本の謝罪が認められない第一の理由として、枢軸国のパートナーであるドイツが周辺国によりきちんと謝罪をしたことを挙げた。

 また別の理由として、アジア外交において日本の立場が悪化していることを指摘。1970~80年代、中国共産党は歴史問題より日本からの資金を望んだが、今は必要ない。韓国も経済的に成功し、外国援助が不要となった。

【日本の矛盾する動き】
 その他、一部の日本指導者が河野談話や村山談話と逆行していると同誌は指摘。実際、安倍首相は靖国神社に高官を派遣し、2012年11月4日に日本の歴史修正主義者らがアメリカの新聞に慰安婦の歴史を否定する広告を掲載した事実がある。民主党・野田政権下でも、日本の外交官はニュージャージー州の慰安婦記念碑の撤去を求めていた。

 最近、1909年に初代韓国統監の伊藤博文元首相を暗殺した安重根の石碑を中国に建設する計画をめぐり、菅官房長官が彼を「犯罪者」と呼んだ。一方1964年には、米軍のカーチス・ルメイ将軍に、日本の航空自衛隊育成に協力したため勲一等旭日大綬章を授与した。同将軍は10万人が死亡した東京大空襲を指揮した人物である。このことは、見方によっては日本のダブルスタンダードともとれよう。

 韓国人は安重根が犯罪者と呼ばれ、ルメイ将軍が受章したことに驚くだろうと同誌は報じ、韓国人の歴史認識を日本が取り違えれば、韓国の反日感情はますます高まるとした。

【読者のコメント欄では熱い議論が展開】
 大手ソーシャルニュースサイト「レディット」には、この記事に対して様々な意見が書き込まれた。

・謝罪は認められなかったわけではないよ。単に中韓は自国の国家主義を煽るために便利に使っているんだろう

・遠い過去に死んだ人物がやったことをどう謝罪するのか、僕には奇妙な話に思える。戦争が終わったときに賠償はしているし、もう終わったことだ

・(上記コメントに対し)第二次世界大戦は1945年で、多くの人が今も生存している

・何度も繰り返し謝罪を求めることは馬鹿げているけど、それは“昔々の事”だからというわけじゃない。歴史から学ぶことは大切だ

・問題は日本の国家主義にある

・日本の謝罪の問題でなく、東アジアにおける中国の野望によるものだ。中国はアメリカや日本にとってかわろうとしてそのために戦争への非難を利用しているのだろう

・戦後成功し過ぎた日本に、韓国や中国は嫉妬してきた

Text by NewSphere 編集部