山本太郎議員の手紙に 国内「辞職すべき」海外「サンキュー、太郎」その理由とは
先月31日に東京・赤坂御苑で開かれた秋の園遊会で、山本太郎参院議員(無所属)が天皇陛下に直接手紙を渡す場面があった。
山本氏は記者会見で、「原発事故での子供たちの被ばくや事故収束作業員の劣悪な労働環境の現状を知ってほしかった」と語った。
陛下は受け取ったが、すぐにそばにいた侍従長に渡した。陛下からの言葉はなかったという。菅義偉官房長官は同日、「陛下に園遊会のような場で手紙を渡すことがその場にふさわしいかどうか、参加した方が常識的に判断することだ」と不快感を示した。
参議院議院運営委員会は1日に理事会を開き、「天皇の政治利用に当たる」との認識で一致した。同理事会は5日に再び処分を検討する。
【前代未聞の山本氏の行為に対して、海外ネットユーザーからは賛否両論】
山本氏は「マスコミが報じなければ、政治利用にならない」と主張している。
ロイターは、日本の国会議員がタブーを破ったとの見出しで報じた。日本のメディアやインターネット上では彼の「下品」な行為を批判する声が多く、「議員辞職」を求める声もあると伝えている。一方ロシアのニュース専門局RTは「福島はタブーか?」との見出しで報じた。
ロシアのニュース専門局RTではコメント欄に、「天皇の政治利用にほかならない」との意見の他、「日本のメディアは、山本氏が反原発世代で若者に影響力があるからバッシングしている」「真実を語ることが天皇への侮辱になるのか」「福島の問題は世界で取り組むべき」「サンキュー、太郎」など、山本氏を擁護するコメントが多く寄せられている。また、Redditにおいても、「天皇は政治にかかわることはできないが、彼のこの行動が福島に対しはプラス」などの擁護する意見が目立つ。
【なぜ海外では好意的なコメントが目立つのか?】
このように、山本太郎氏の行動に対して好意的な意見が多い原因として、日本と海外での視点の違いがあると考えられる。日本では天皇の政治利用にあたるのではないか、という部分が主要な争点になっている。しかし海外ではこのニュースでは「反原発を掲げる山本太郎氏の主張」が注目されがちである。そのため興味を持ちコメントする海外ネットユーザーは限定的で、その中に原発反対派が多いことは容易に予想されるだろう。
なおRTは、2013年8月に、福島原発が最悪の事態を迎えることを想定する内容の記事を掲載していた。